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    「ゲッティイメージズ・クライメイト・ビジュアル奨励金」
    海面上昇による甚大な被害を伝える2名のフォトジャーナリストに奨励金を授与

世界的な気候変動の危機をビジュアルで伝えるための奨励金制度
「ゲッティイメージズ・クライメイト・ビジュアル奨励金」
海面上昇による甚大な被害を伝える2名のフォトジャーナリストに奨励金を授与

2020年4月16日

ロンドン2020年4月7日:デジタルコンテンツ(写真、ビデオおよび音楽)を世界200ヶ国以上に提供する、世界最大級のデジタルコンテンツカンパニーGetty Images(本社:米国・シアトル以下、ゲッティイメージズ)は、気候変動が与える影響を写真で証明するための世界唯一のプログラムである「Climate Visuals(クライメイト・ビジュアルズ)」との共同プロジェクト「ゲッティイメージズ・クライメイト・ビジュアルズ奨励金」の受賞者2名が決定したことを発表しました。受賞者にはそれぞれ10,000ドルの奨励金が授与されます。この奨励金制度は、気候変動という複雑な世界的問題を捉えるビジュアルの発信力強化を目指しています。

世界的な気候変動の危機に関する報道が増える中で、ゲッティイメージズと Climate Visualsは、これまで使い古されたビジュアルではなく、気候変動によって生活環境や生態系が変化する様子を生々しく捉えるフォトジャーナリズムが重要であると考えています。「ゲッティイメージズ・クライメイト・ビジュアル奨励金」の第1回目となった今回は、40カ国以上の写真家から144点の応募を受けました。その中から、奨励金受賞者2名と特別賞1名が選ばれました。受賞3作品はすべて、それぞれの地域で上昇を続ける海面とそれが世界中のコミュニティに与えている甚大な被害について伝えるものです。2020年「ゲッティイメージズ・クライメイト・ビジュアルズ奨励金」の受賞者は以下の通りです。

 

Aji Styawan/ Getty Images Climate Visuals Grant Recipient

▲「Drowning Land(溺れゆく土地)」/Aji Styawan(アジ・スティアワン)
インドネシア出身のフリーランスフォトジャーナリストのアジ・スティアワン氏は、既に数百万人もの人々の生活に与えている気候変動の影響を記録しています。彼の作品は、インドネシア・デマク県の人々が、コミュニティだけでなく家の中でさえも海面上昇に耐えながら生きていることに焦点を当てています。

アジ・スティアワン氏 受賞におけるコメント
この奨励金は、デマク県出身のフォトグラファーである私にとって非常に大きな意味があります。Antara Foto Press Photo Agencyのフォトジャーナリストとしての日々の仕事をしながら、長期的にこのストーリーを記録し続けるために役立てたいと思います。『Drowning Land(溺れゆく土地)』という今回のプロジェクトでは、海面上昇に耐えながら生きるインドネシア・デマク県の人々を記録しています。デマク県では、居住地域だけでなく、家の中までも海面上昇による影響を受けています。このプロジェクトがニュースで報道されることで、政府や気候変動問題に取り組む団体や人々に届き、毎日のように海面上昇に蝕まれながら暮らすデマク県の人々を救う適切な解決策につながることを期待しています。プロジェクト案にも書きましたが、この奨励金によって私は、気候変動に起因する海面上昇から深刻な影響を受けているインドネシア・ジャワ島のプロジェクトも続けることができます。また、人々がどのように解決策に取り組んでいるかにも注目し、調査していきたいと思います。

 

Greg Kahn/ Getty Images Climate Visuals Grant Recipient

▲「3 Millimeters(3ミリメーター)」/Greg Kahn(グレッグ・カーン)
ドキュメンタリーをファインアートとして伝える手法で、ピューリツァー賞ノミネート歴のあるフォトグラファーのグレッグ・カーン氏の3 Millimeters(3ミリメーター)が選ばれました。この作品は、メリーランド州イースタンショアの海面上昇をテーマに、人や生き物などの生態系全体が、海面上昇により、ゆっくりと溺れていく様子を描写しています。

▲グレッグ・カーン氏 受賞におけるコメント
受賞できたことを大変光栄に思っています。今回の奨励金によって、海面上昇に伴い変化を強いられながらメリーランド州イースタンショアで暮らす人々を記録し続けることができます。この問題を記録し始めた頃、住民の多くは科学的データを信用していませんでした。しかし時間の経過とともに、懐疑的だった住民たちが気候変動の問題に気づき始めたように感じます。だからこそ、今この仕事を続けることの重要性が増していると思います。

 

また、特別賞は、アラスカ出身のフォトジャーナリスト、Acacia Johnson(アカシア・ジョンソン)の「Open Water Season: Adapting to an Ice-Free Arctic(オープンウォーターの季節:氷のない北極に適応するイヌイットの人々)」プロジェクトが選ばれました。これは北極一帯の海氷融解と、長期化するオープンウォーターの季節に適応しなければならなくなったイヌイットの社会を伝える作品です。

受賞者について、ゲッティイメージズ グローバルコンテンツ部門シニアバイスプレジデントのケン・マイナルディスは、「ビジュアルコンテンツには、気候変動などの危機的な問題を世界に伝え、人々の意識を変容させる力があります。今回の奨励金により、この力を信じるフォトジャーナリストの皆さんを支援できることを非常に嬉しく思っています。受賞者の作品は、クオリティだけでなく、そのビジョンや、気候変動をビジュアルで伝える意欲や姿勢にも感動しました」と、今回の受賞作品について述べています。

審査員を務めたClimate Visualsリサーチャーのスージー・ワン氏は、「気候変動による衝撃的な影響と前向きな解決策、その両方を伝える多くの写真に審査員である私たちも引き込まれました。気候変動に適応しながら生活し、困難な状況から立ち上がる力を持つコミュニティを捉えた作品には特に感動しました。今回贈られた奨励金は、それぞれ異なる場所で育まれた多様な景観や文化と、海面上昇の問題を伝える彼らの活動の助けになると思います。その土地に行き、真実を伝えている彼らの作品は、数多くの応募者の中でも輝きを放っていました」とコメントしています。

1995年の創業以来ゲッティイメージズは、受賞歴のある素晴らしい多くのフォトグラファーに支えられ、世界的なフォトジャーナリズムコミュニティの支援を強く推進してきました。ゲッティイメージズ・クライメイト・ビジュアルズ奨励金は、他にも様々な奨励金を付与しているゲッティイメージズの奨励金制度の一環として設立されました。ゲッティイメージズでは、奨励金制度発足以来、世界中のフォトグラファーやビデオグラファーに160万ドルを贈呈しています。

Getty Imagesについて

ゲッティイメージズは業界を牽引するサイト(www.gettyimages.com もしくは www.istock.com)を通して写真、ビデオ、音楽といった3億以上のコンテンツを提供する、世界で最も評価・信頼されているビジュアルコンテンツの発信源です。ゲッティイメージズのウェブサイトはクリエイティブ、ビジネス、メディアにおける世界中のほぼ全ての国の顧客に様々なサービスを提供し、世界最高峰のフォトグラファーとビデオグラファーによるパワフルなビジュアルコンテンツを見つけ、購入、シェアする際に人々が最初に訪れる場所になっています。ゲッティイメージズは、25万人以上のコンテンツ提供者、そして数百の以上のイメージパートナーとともに、毎年16万件以上に及ぶニュース、スポーツ、エンターテインメントのありとあらゆるイベントを伝え、インパクトのあるクリエイティブなビジュアルを通して、あらゆる商業コンセプトや世界随一の歴史的写真のデジタルアーカイブを提供しています。コミュニケーションやビジネスにおいて静止画と動画ならではの役割を進化させ、クリエイティブなアイデアに息を吹き込んでいるゲッティイメージズについてさらに知りたい方は www.gettyimages.com をご覧ください。会社のニュースや発表記事についてはPress Roomを、ゲッティイメージズのコンテンツの裏にあるストーリーやインスピレーションについては、creativeinsights.gettyimages.comをご覧ください。FacebookやTwitter、Instagram、LinkedInもやっています。あるいは、Getty Imagesのアプリをダウンロードして、世界最高のビジュアルを見て、保存して共有することも可能です。

Climate Visualsについて

Climate Visualsは、Climate Outreachが実施しているプログラムです。この2つはともに、ヨーロッパにおける主要な気候コミュニケーション団体で、英国オックスフォードを拠点にする社会科学者と気候コミュニケーションの専門家からなるチームです。様々な団体が気候変動との関わりを広め、深めるための支援を15年前から行っています。気候変動について、オーディエンスの価値観と共鳴して行動につながるような会話を生み出せるように伝えながら、パートナーをサポートしています。また、長年にわたる実践的な経験から得た科学的調査手法を組み合わせて、この問題に関わるための実践的なツールや世界トップレベルのアドバイスを提供しています。

Climate Visualsは、気候変動証拠に基づく写真を扱う世界唯一のプログラムです。国際的な社会調査と業界のインサイトに基づき、世界中のビジュアルコミュニケータの実際の仕事のやり方を戦略的に変え、ホッキョクグマや解けていく氷冠、工場といった、使い古されてきた気候変動のビジュアルを脱却して、見る人を引き込む多様で新しいビジュアルランゲージに大きな変化を起こすことを目指しています。Climate Visualsは、一般にアクセス可能な7 Climate Visuals Principles(「クライメイト・ビジュアルズの7原則」)と、Climate Visualsチームが気候変動ビジュアルについて十分に情報を得た上で正確かつ影響力のある決断を行うというユニークなポジションを獲得することを可能にしているpeer-reviewed evidence(ピアレビュー済みのエビデンス)に基づく証拠ベースのimage reference library (ビジュアルリファレンスライブラリ)を提供しています。

ゲッティ イメージズ ジャパン株式会社について

ゲッティ イメージズ ジャパン株式会社は、1995年に創業された米国シアトルに本社を置くGetty Imagesの日本法人です。

  • 報道映像・写真を提供する報道・通信社としての業務
    新聞・テレビ・出版社を含むメディア各社を主要顧客とし、報道映像やスポーツ、エンターテインメント報道用写真を報道機関に提供しています。また、自社取材の映像に加えてAFPと提携して、テレビやインターネット向けのビデオ映像配信事業も展開しています。
  • 静止画や動画、音楽を提供するコンテンツプロバイダとしての業務
    クリエイティブコンテンツをオンライン経由で提供するほか、コンテンツの商業利用にあたって、素材の権利処理サービスを提供します。加えて世界のビジュアルトレンドを調査・分析し、常に世界のニーズにあったコンテンツをトータルに提供いたします。
  • コンテンツを世界にライセンスする業務
    日本のフォトグラファー、ミュージシャンを海外に紹介し、ライセンスいたします。
    ※実際の業務執行はゲッティ イメージズ ジャパン株式会社より役務提供を受けたゲッティ イメージズ セールス ジャパン合同会社による。

ゲッティ イメージズ ジャパン ウェブサイト:http://www.gettyimages.co.jp